2025年1月1日、夜明け前。
いつもよりもっと静かな通りを、雪を踏むギシッギシッという自分の足音に耳を澄ましながら歩く。
穏やかで、静かで、心自由な一時。
向かいから走ってくる車のライトで一瞬にして昨夜の現実に引き戻される。
大晦日、母が救急車で搬送された。
診断は初期の脳梗塞。
倒れる少し前に母が作ったお正月恒例の里芋の煮物を弟と食べながら、急に静かになった家でなんとも落ち着かない。
三匹の猫たちも心なしかおとなしい。
90歳という高齢の母とそろそろ一緒に暮らそうと約30年ぶりに戻り、いつかはと覚悟はしていたけれど、あまりに突然で、やっぱり途方に暮れる。
今年は介護の日々が始まりそうだ。
それでも、自分の足音に耳を澄ましながら、穏やかに、静かに、心自由に過ごしたいと思う元日です。